LIVE!ECRIPSE97


Q10:

皆既日食の際に地上で見られる現象で 興味深いものには他に何がありますか?

A10:

実際に現地へ行って自分で確かめるのがもっともよいでしょう。Q1〜Q9までで出てこなかった現象として1つだけ挙げておきましょう。それはシャドーバンドと呼ばれる現象です。

シャドーバンドとは、太陽が完全に隠される時刻(第2接触)の直前と、太陽が再び顔を出す時刻(第3接触)の直後に、細いさざ波のような影が地上を走る現象です。ちょうど、プールの底にゆらゆらした影が搖れているのに似ています。地面や望遠鏡の上をざわざわと流れる影は、まるで自分が水底にいるような非現実的な感覚をもたらし、いやがうえにも緊張を高めます。

シャドーバンドは、早い場合は第2接触の3〜4分前から見え出すこともあります。たいていの人は太陽の方(上)を見ているので、足元のシャドーバンドを見るには、意識的に下を向く努力が必要です。ただ、いつもシャドーバンドが現れるわけではなく、雲が多い時などには見えないこともあります。

肉眼ではかなりはっきりした影に見えますが、実際は非常にコントラストが弱い、淡い影なので、 写真やビデオなどの映像として捉えるには、かなり工夫しないとダメです。誰が見てもはっきりわかる映像はわずかしかありません。
なぜこのような影ができるのか? 細くなった太陽のスリット状の光が、地球大気のムラの中を通過するときに、細長い影を作るのではないか、と言われていますが、まだはっきりと解明されたわけではありません。

なぜ、シャドーバンドが発生するのかは解明されていませんが、 有力な説を1つだけ紹介しましょう。皆既の直前・直後に当たる第2接触・第3接触の時には、 太陽光線はほとんど1点からのみやってきます。その光が、地球の上層大気の疎密により屈折して地上に投影されます。これがシャドーバンドとして見えるのではないかという説です。
そして、上層大気は常に風により移動しているので、シャドーバンドも高速で移動するという説です。ちょうど月がピンホールカメラの穴を作り出し、そのために、地球大気の上の方の 様子が地面に写しだされてしまうということですね。とすると、これは天文学というよりは気象学や地球物理学の研究対象ということになりますね。


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