日食について 3回連載
日食についての解説を3回にわたって連載していきます。

第1回 日食とは?

(6 月 1 日)
1.日食とはなに?
2.日食は珍しい
3.今回の日食
4.日食の種類
第2回 日食で分かること
(6 月 8 日)
5.日食で分かること
6.太陽のリズム
7.コロナの形:今回のみどころ
第3回 太陽と地球の関係
(6 月 15 日)
8.太陽と地球の関係
9.用語集



第1回 日食とは?


第1回 日食とは?
1.日食とはなに?
2.日食は珍しい
3.今回の日食
4.日食の種類
1.日食とはなに?
日食という字を、そのまま読めば「日:太陽」が「食べられる:隠される」現象となります。
食(しょく)とは、天体が見かけ上、重なってしまい、後方の天体が見えなくなることです。
では、何が太陽を隠すのでしょうか?

それは、「」です

月が太陽の前を通過し、その影が地球を横切ると、その影に入ったところでは日食が見られるわけです。
solar eclipse animation
世界ではじめてインターネットを通して多地点から生中継された皆既日食の映像
1997年3月9日 シベリア・シルカ (LIVE! ECLIPSE97)

日食は、太陽がこのように欠けていく現象です。この動画では、月が太陽に完全に隠れるまでフィルターをかけているので誤解されやすいのですが、 実際はかけている間もコロナが見えており、もちろんいつもコロナは存在しています。

ではここで視点を変えてみましょう。地球の上から見ると、太陽が月に 隠され太陽がかけていくという現象(上での説明)になるのですが、宇 宙空間から見ると 地球上でどのような事が起こっているのでしょうか。
solar eclipse position
これが日食が起こっている位置関係です。
lunar eclipse postion
このような位置関係だと月食が観測されます。

さらに視点を変えてみましょう。
月から見ると、太陽が地球に隠れるという「日食」もあるわけです。月から見た日食はどのように見えるのでしょうか。
地球からの眺めと違い、地球は太陽の4倍の大きさに見えるはずです。
「完全な」皆既食になってしまうでしょう。
solar eclipse view from the moon
(想像図)
ところで、地球には月と違って大気があります。地球上で見えるダイヤモンドリングのようなものではないのですが、月の上からでも地球の周りにリングが見えるでしょう。地球の周りには大気があるので、おそらく夕焼けのような真っ赤なリングが見えるのではないでしょうか。

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2.日食は珍しい現象
月は地球の周りを約1ヶ月で1周しているので、1ヶ月に1回は太陽の前を月が横切って日食が起こると思いがちですが、月が地球の周りを回っている面 (白道面)と、地球が 太陽の周りを回っている面(黄道面)が、約5度傾いているために、地球から見ると月は太陽の上か下を通 過し、その交点付近でないと、太陽面を横切らないことになります。そのため、通 常の年は、年に2回程度しか日食になりません。

しかし、実際には、自分の住んでいる土地で年に2回も日食はおこりません。その理由は、日食の暗い影を”本影すい”といいますが、この影が地球に落ちたとき、その幅はわずかに100km程度しかありません。地球1周が4万kmもあることを考えれば、非常に限られた狭い範囲でしかないからです。(単純な確率の計算でも、ある特定の場所では、数百年に一度しか"本影すい"が通りません)

ところが、たとえば,アフリカ東海岸のアンゴラでは今年の6月21日に続いて 来年の12月4日にも皆既日食が見られます。こうやって続くのは珍しいケースです。 でも,日食が見られないところでは何年経っても見られません。どうしてそうした 周期が起こるのかといったことを考えるときに便利なものに、サロス周期というものがあります。

◎サロス周期とは日食の周期のことで、次のような関係があります。
19食年 ・・・・・ 6585.7866日
223朔望月 ・・ 6585.3213日
過去に日食がおこった日から数えて6585日(18年10日〜11日)数えると、その日がまた日食になるということです。
ただし朔望月で0.3213の部分が影響して、平均8時間ぐらいずれます。そして西に約120度位置が移動することになります。

こういった周期があるために、場所によっては見えるところと見えないところが限られてきます。
古代の人は、紀元前600年くらいにはすでにこのサロス周期を発見していたといわれます。
ちなみに、サロス周期は誤差が溜まるので数回しか使えません。
今回は日食は珍しい現象と書きましたが、地域によって見える頻度が違うということが後半部分で分かります。

ここで日食カレンダーをのせておくので見てください。

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3.今回の日食は?
今回の日食について触れてみましょう。今回は陸地では、アフリカ南部アンゴラ〜マダガスカル島で観測でき、天候についてもおおむね晴れる予報なので、 絶好の日食日和になってくれるでしょう。 また、皆既継続時間(太陽が完全に隠れている時間)も3〜4分ほどあり、比較的長い間黒い太陽が見られるでしょう。月と地球の位 置関係、太陽と地球の位置関係によって,月と太陽の相対的な大きさが変わります。
今回は月が地球の近くにあり、地球が太陽から遠く離れた軌道面にあるため、月が大きく、太陽が小さく見える時なので、長い間太陽が隠れています。
次の図を参照して下さい。地球の公転軌道と月の公転軌道の扁平度を極端に表現しています。
逆に月が相対的に小さく見えると、どうなるでしょうか?

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4.日食の種類
皆既日食
観測者が本影すいの中にすっぽりと入ってしまうと、そこではもう太陽のまぶしい光球は見えません。急に夜のように暗くなってしまいます。この現象を

"皆既日食"

といいます。


ライブ映像で、これが実感できるでしょうか?

本影の周囲では、太陽の一部が月に隠されていることになり、これを

"部分日食"

といいます。

太陽は非常に明るいため、部分日食では、夜のように暗くなることはありません。皆既日食になると、普段は光球の明るい光に邪魔をされて見ることができない太陽の周囲の淡い大気であるコロナを見ることできます。
ここでコロナを紹介しました。注目点ですので、あとでより詳しく説明をします。
部分日食
月は地球の周りを同じ距離を保って公転しているのではありません。そこで、月の見かけの大きさは少し大きくなったり小さくなったりします。また、太陽と地球の距離も少し変化しますので、太陽の大きさも変化します。そのため、太陽を隠す月が太陽より少し小さく見えるときには、 たとえ太陽の正面を横切っても、完全に隠すことができず、リング状の太陽が残ってしまいます。 このような日食を

"金環日食"

と言います。
もちろん、金環日食の周りでは、部分日食になっています。

月の大きさが相対的に大きいと、皆既日食は皆既日食でも、皆既の継続時間の長い皆既日食になります。日食は珍しく、そして美しい現象だと言うことがわかっていただいたと思います。

ところで、日食から何がわかるのでしょうか?
それらは、次の回で説明しましょう。

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